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紳士と淑女の集まるサロン「紙パンツNight」の公式ブログです。

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『勃-1グランプリ』を振り返って ~春画的受容をめざして~

2015年10月17日の『第2回勃-1グランプリ』は、お陰をもちまして無事に開催することができました。
当日ご参加いただいたお客様、出演者の皆様、阿佐ヶ谷ロフト様、お力をお貸しいただいた全ての皆様にこの場を借りて実行委員一同、深く御礼申し上げます。

この記事を書いている時点では、まだ紙パンツNight実行委員たちによるイベントの振り返りはなされていません。総評などはおってお伝えさせていただくことになるかと思います。
ですので、今回はタイトルにもあるように春画と絡めた視点から第2回勃-1グランプリに参加して感じたことを書いてみようと思っています。



『SHUNGA 春画展』が人気を博している。
国内初開催となる今回の春画展には大英博物館をはじめとするヨーロッパ諸国や日本の美術館、個人のコレクションから肉筆画約30点を含む120点が展示され、開催前より大きな話題を集めた。

永青文庫『SHUNGA 春画展』 HP
http://www.eiseibunko.com/shunga/

春画で思い出すのは紙パンツNightを通じて出会ったとある人との飲み会のこと。
2015年9月某日、
僕ら紙パンツNight実行委員はゴールデン街のロックバー『WHO』にて、紙活を通じて知り合った「渋さ知らズ」のドラマーつの犬さんと飲んでいた。その日、丁度つの犬さんが春画展に行った帰りだったこともあり、江戸期文学などについて話しながら楽しいひと時を過ごした。帰り際、つの犬さんが僕ら紙パンツNight実行委員に

「皆さんは現代の枕絵師なんですね。楽しい話をありがとうございました』

と挨拶してくれたのだが、個人的には枕絵師という言葉をとても気に入った。
枕絵師とは春画を描く絵師のこと。
なぜそれが嬉しかったのかというと、春画が単なるポルノグラフィにおさまらない文化的背景を持ったものだからだ。
それを示す一例として江戸時代に書かれた井原西鶴『好色一代男』がある。江戸時代のベストセラーであるこの物語の作中に、さる大名の奥女中が男性との接触に恵まれないため

「このもしく枕絵(春画) 一人笑ひを見て」

と、うさばらしをする場面が描かれている。当時、春画は男性的なポルノグラフィーとして消化されていたものではなく、男女ともに『笑ひ』として享受されるものだった。延広真治氏によれば、春画は

「合戦に勝つためだとか、虫が喰わないためとか、防火のためのお呪いにとかで具足櫃に入れる。女性の場合は長持に入れると衣装がたまるとか信じられていた」

もので、交合を通したまじないの意味を含んでいたとされる。エロスとしてのみ受容されていなかったことの証左としては、春画が後年つけられた呼称であり、当時は“笑い絵”と呼ばれていたことにも見て取れる。なぜ“笑い絵”と呼ばれていたかには所説あるが、柳田国男が『笑の本願』の中で

「神がこの世の中の何物よりもはるかに恐ろしく、いかなる場合にもこれを敵としては寸時も安穏に在り得ないことを信じてから、人は甘んじて神の笑いを受け、次にはわざわざ笑はれるような行為をして且つはご機嫌を取り結び、且つは自分たちの笑われても一言なき者共なることを承認しようとした」

と説明しているように、“神のご機嫌をとり祝福を受けるための宗教儀礼の一つ”としての交合を踏まえた笑いの文化から“笑い絵”という名前がついたという見方があるようだ。神に対する笑いの文化の具体的事例としては既に紙パンツNightコラムでも取り上げたことがある古事記『天岩屋戸』の段、

「神懸り為て、胸乳を掻き出で裳緒を番登におし垂れき」

の描写にその源流を見て取れる。下半身をあらわにして踊った際、神々が笑ったという例だ。
日本には飛鳥坐神社の祭礼のように男女の交合を演じつつ笑いを誘う「交接芸能」の文化が数多く存在し、またギリシア古典劇のサテュロスにも笑いを伴うエロスが見とれるように、“交合”に“豊穣・実り”を投影し文化として受容していくのは洋の東西を問わず人類に共通している。
実りや豊穣の投影としての春画であるため、春画に描かれている女性たちは9割が地女(女房、町娘、女中、乳母)であり、ポルノグラフィとして現代の我々が真っ先に思い浮かべる遊女などの色女は全体の1割ほどでしかモチーフとして描かれていない。
春画はこのように単なるポルノグラフィにはおさまらない文化的な意味合いを持っており、それは前述したように男性だけではなく女性にも“笑ひ絵”として広く愛されるものだった。


さて、「第2回勃-1グランプリ」である。
2015年10月17日に開催された第2回勃-1グランプリには、幸い男性だけでなく女性のお客様にも多数ご来場いただいた。また、各出場者のプレゼン最中には感嘆の声とともに笑い声も上がり、男性にのみ享受されるポルノグラフィ的イベントではない、男女ともに楽しめる“笑ひ絵”の流れを見て取れたことが個人的には大変嬉しかった。
永青文庫の春画展にヨーロッパからも数多くの作品が寄せられているように、交接芸能が広く庶民に親しまれるような日本の寛容な風土の中で育まれた春画は、純潔に重きを置く西洋文化の中では立ち上りにくい「寛容さゆえの芸術・文化」である。
勃-1グランプリの会場となった阿佐ヶ谷ロフトにも、出場いただいたAV監督、AVライターの皆様(現代の枕絵氏)が提示した様々な嗜好を楽しもうとする寛容の精神が溢れていた。そのようにイベントが盛り上がることができたのは、ひとえにご出場いただいたAV監督、ライターの方々が、それぞれ単なるポルノの枠におさまらない深い広がりを持った作品を持ち寄ってくださったおかげである。

僕ら紙パンツNight実行委員たちがイベント理念として掲げる「寛容さ」を持ったお客様から明るい笑いが何度も湧き上がったことが、個人的には今回勃-1グランプリを開催して最も嬉しかったことだ。
第3回を開催する際にも、こうした“笑ひ絵”の流れを汲む文化的なイベントにしたいと思うし、より多くのお客様に現代の枕絵師たちの競演を見届けてもらえればと思っている。
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